PSP製食品容器と環境

省資源
社会的に環境対応力が物事の評価指標として定着してきました。 その視点は2つ、「省資源」と「環境影響物質の排出」です。
PSP製の食品容器は95%が空気、ポリスチレン樹脂は5%と限りある資源の消費を極力低減した容器です。

プラスチック食品容器は石油化学製品で、もともとの原料は石油です。
わが国で消費されている石油製品(LNGを含む)は年間約4.4億キロリットル(2011年)。
その内の約77%が燃料として利用されています。自動車のガソリンもこの中に含まれています。
石油化学品向けナフサは23%、うちプラスチック原料向けは3%(1,100万トン)。そして食品容器として使われているのは7%(80万トン)です。
PSPの容器は食品容器のおよそ13%なので、石油全体の0.03%になります。(出典: 石油化学工業協会、 日本プラスチック食品容器工業会)
PSP製食品容器は、発泡して軽量化されているため、他の素材のトレーと比較してもより少ない重量で同等の強度があるという特徴があります。
このようにPSP製食品容器は僅かな石油を有効に使い、豊かな食生活を支えているのです。
発生するごみゴミも少量です

ごみ、廃棄物の視点から見ると、PSP製食品容器(食品トレー、納豆容器、カップ麺容器、弁当容器など)は、年間の生産量がおよそ13万トンで、これを人口1億2千8百万人、365日で割ると1日1人あたり約2.8グラムとなります。これは一般廃棄物(家庭ごみ)の約0.28%(2009年)に相当します。PSP製食品容器は目立ちますが、重量的には僅かです。
リサイクル


環境省では容器包装リサイクル法の施行にともない、 3R推進運動を展開しています。キーワードとして「3R: リデュース、リユース、リサイクル」を掲げた取り組みが進んでいます。
ここでも、単一素材で見分けやすい事が重視され、PSPトレーは単一素材(ポリスチレン樹脂)で、マテリアルリサイクルの代表選手の一つとして紹介されています。
その良さがいかされて、食品包装の分野で国と業界のそれぞれでリサイクルの仕組みが動いています。
- 発泡スチレンシート(PSP)は単一素材の発泡体なので見分けやすく、集めやすい素材です。すなわち、リサイクルしやすい素材です。
- 現在、PSPトレーのリサイクルは二つの仕組みが機能しています。一つは、容器包装リサイクル法が施行される10年前から消費者、トレー製造事業者、利用事業者、三者の主体間連携によって構築された、スーパーマーケットの店頭などで自主的に回収する仕組み(参照: 日本プラスチック食品容器工業会)で、現在も容器包装リサイクル法の枠外で機能しており、回収量は約9,400トンです。もう一つの仕組みである市町村の裁量に委ねられた容器包装リサイクル法に基づく回収は、白色トレーの分別収集を実施している市町村数が2013(平成25)年度で520と、プラスチック全体(1,312)の約40%で、収集実績も約2,600トン(H25年度)と事業者による自主的回収量のおよそ28%にとどまっています(参照: 環境省)
- PSPトレーがリサイクルされて再び原料として使用されている物としては、ポリスチレン原料、食品トレー、日用品、などがあります。(参照: 日本プラスチック食品容器工業会)その他ポリスチレン原料として海外でいろんな商品に形を変えて日本に戻ってくるものもあります。
環境問題

燃焼特性も良好です。
PSP製食品容器は、完全燃焼すれば水とCO2(二酸化炭素)になり、灰もほとんど残りません。
※戸外で燃やした場合等には酸素不足から不完全燃焼となり、黒い“すす”がでることがあります。これは純粋な炭素粒で無害ですが、洗濯物等を汚す心配などがありますので、庭先などで燃やすことはやめてください。

環境ホルモンも問題ありません
PSP製食品容器は、PSPシートを科学的変化をさせず容器の形にしたものになります。PSPシートと同じく環境ホルモンは問題ありませんので、安心してご利用いただけます。
PSP製食品容器は環境への影響が小さいのが特長です。
PSP製の食品容器、ただ一点の欠点は「かさばる」ことですが、しかし、それが環境保護に適した食品容器である証です。
軽さが活きる「減装(へらそう)ショッピング」の代表選手にもなれます。
また、環境影響の見える化にも積極的に取り組んでいます。
「エコリーフ環境ラベル」、「カーボンフットプリント」、「LCIデータ」、その他の環境課題もデータで情報提供しています。
データの「見える化」